
シェムリアップに来た第一目的は
狂犬病の注射を打つためでも、
カレーを食べるためでもない。
あの有名な<アンコール遺跡群>を見に来たのだ。
オイラが旅に出る前
「アンコールワット、凄かったわよ。あそこは死ぬまでに一度は行っておくべき場所ね」
と、カンボジア旅行に行った母に自慢されて以来
ずっと行きたいと思っていたアンコールワット。
そのアンコールワットとついにご対面。

いやぁ、相当期待して行ったんですけどね。
かなりハードルを上げて行ったんですけどね。
そんな期待のハードルを軽々と超えてしまうくらい
凄かったです、アンコール遺跡。
アンコールワットは、
入った瞬間、第一回廊に描かれている緻密なレリーフに圧倒されまくり。

長い回廊の壁にびっしりと描かれている浮彫は、ホントに圧巻。
ちなみに、描かれているのはインドの古代叙事詩<マハーバーラタ>や<ラーマヤナ>。
オイラがインドで何度も耳にした話なだけに、感慨もひとしお。

そう、実はアンコールワットって
ヒンドゥー建築なんですな。

ちなみに、カンボジアはヒンドゥー教であるバリ島の影響が強いらしい。
カンボジアの初日、野宿していたら、
朝、近くにあったお寺から聞こえてきた大音量のガムランの音に起こされて、
「ココはバリ島か!?」
と、寝ぼけ眼に思ったくらい、バリ島の雰囲気があちこちで感じられる。

さて、アンコールワットだけでも十分に感動だったのだが、
アンコール遺跡群はそれだけじゃ終わらない。
次に向かったのは、アンコールトムという都城。

この中にあるバイヨンと呼ばれている遺跡にこれまた感動。

観世音菩薩の巨大な石像が雰囲気タップリに立ち並んでいる。
こういうの、めっちゃ好きなんですよ。


ちなみに、アンコールトムが建築された時代の王様は
大乗仏教に帰依していたようで、
アンコールトムは、アンコールワットと違って、
ヒンドゥーヒンドゥーしていないのが、また興味深い。

アンコールワットとアンコールトムで、満腹状態になれたのだが、
オイラ的には、次に訪れた北東部に広がる遺跡群の一つである<タ・プローム>が最高の感激スポットであった。

巨大に成長した木々に押しつぶされた寺院跡が
なんともいえない郷愁を誘う。
アンコールワットやアンコールトムはちゃんと修復されているし
周囲も観光しやすいように整備されているのだが、
ここはある意味野放し状態。
だからこそ、歴史というか悠久の時の流れを感じれて、
めっちゃ浸ることができた。

アンコール遺跡群はつい150年前まで
ジャングルに埋もれて、その存在は忘れ去られていたという。

これだけの遺跡が誰にも知られなかったなんて・・・
と最初は思うのだが、
外れにある遺跡まで見に行くと、
さもありなんと思わされる。

未だに緑々とした木々に埋もれるように点在する遺跡は、
すっかり自然と同化してしまっているのだ。
これはこれでまた、素晴らしい。

ちゃんと修復された遺跡もよし、
修復されずにそのままの遺跡もよし。

アンコール遺跡群、噂通りに素晴らしい場所でしたわ。
いくら期待のハードルを上げても、それを越えてくれる稀有な場所。
写真や話では、この凄さは伝わらない。
確かにココは、死ぬまでに一度は訪れて、この眼で見るべき場所です、ハイ。