
RTLというテレビ局で放送してもらった次の日(1/23)
TV2とMTVAというテレビ局が新たに取材に来てくれた。
RTLとTV2とMTVAは、ハンガリーの三大テレビ局。
この大きなテレビで放送してくれたことと、
引き続き情報を拡散してもらっているネットのおかげで、
オイラの大事な相棒が行方不明中だということを、
ハンガリー中の人たちが知ることになった。
■TV2(テレビ)
http://tv2.hu/musoraink/tenyek/142678_elloptak_a_vilagutazo_biciklijet.html■M1/MTVA(テレビ)
http://www.hirado.hu/2014/01/24/ot-eve-jarja-a-vilagot-egy-japan-ferfi-biciklijet-budapesten-loptak-el/記事に対して、9000を越えるFacebookのいいね反応があったネットメディア
http://kerekagy.blog.hu/2014/01/21/a_kertesz_utcaban_loptak_el_a_vilagjaro_japan_bringajatわざわざ宿まで取材しに来て掲載してくれたネットメディア
http://www.origo.hu/utazas/hirek/20140123-a-japan-vilagutazo-kerekparja-budapesti-ellopasarol-es-elmenyeirol-mesel.html取材を通して仲良くなったGellértが書いてくれた記事
http://kerekpar.mandiner.hu/cikk/20140123_japan_vilagutazo_bringas_megtalaltam_a_szabadsagotその結果、オイラのメールボックスには、
ひっきりなしに、励ましのメールが届きはじめた。
自転車を探す期間、うちに泊まっていいわよと申し出てくれた66歳のハンガリー人のおばさん、
捜索活動だけでは煮詰まるだろうから、気分転換がしたくなったらいつでもブダペストの町を観光案内するよ、もちろん無料でねと申し出てくれたガイドさん、
留学中のロンドンでニュースを聞いて、離れているけど何かできることはないかと申し出てくれたにハンガリーの青年、
盗品が売り出されている可能性があるフリーマーケットの場所を教えてくれたハンガリー人の女性、
こっちの方が効果があるぜ、と、新たなデザインの捜索ビラを作って送ってきてくれたハンガリーのライダーの男性、
もし、万が一、自転車が出てこなかったら、新たな自転車を買うための資金は、こちらで集めるよと申し出てくれたいくつかの団体の皆さん・・・
こんな感じで、絶え間なくメッセージが届く。
読んでたら思わず涙が出てくるありがたい申し出ばかり。
相棒を、そしてオイラの旅のことを想ってくれる気持ちが、ただひたすら嬉しかった。
しかし・・・肝心の相棒の情報はまったく入ってこない。
みんなが応援して、励ましてくれているものの・・・
応援と発見は別物。
やはり、みんなに知ってもらうだけでは、見つかることにはつながらないのか・・・
と心が折れそうになる。
一方、騒ぎが大きくなるにつれ、
オイラ自身はまったく動けなくなってしまった。
メディアの取材を受けたり
皆さんからいただいたメールに返信をする、
ただ、それだけで一日があっという間に過ぎてしまうようになったのだ。
地の利があるわけではないオイラ自身が動いたところで、
発見につながるとも思えないのだが、
自分自身が直接動いていないということに、
焦りの気持ちが浮かぶ。
こんなことで、見つかるのか?
現実空間での探し物なのに。
パソコンの前に座って、
情報応対することが、探しているってことになるのか?
焦る気持ちだけが大きくなる
もっと有効な手段があるのではないか、
他にやるべきことがあるのではないか、と
思うも、何も思いつかない。
そんな感じで、オイラ自身が悶々としていた間に、
実は、ブダペストの街では、実働隊が結成され、大捜索網が張られていた。
ニュースでオイラの事件のことを知って、励ましのメールをくれた人たちの中に<ブダペスト・バイク・マフィア>という市民団体の人たちがいたのだが・・・
彼らが、メンバー総出で、ブダペスト中のフリーマーケットを人海戦術で探し回ってくれていたのだ。
フリマが始まるのは朝6時。
寒い中、朝早くからみんなが捜索に乗り出してくれていた。
そんな大捜索網が張られていた土曜日(1/25)の朝、ブダペスト郊外にある小さなフリーマーケットで、掘り出し物の自転車を探していたハンガリー青年マーティンの目に、見覚えある自転車が映った。
路上に並べて売りに出されていた一台の自転車が、<ブダペスト・バイク・マフィア>のサイトに掲載されていた、捜索中のオイラの自転車だったのだ。
そのことに気づいたマーティンが、<ブダペスト・バイク・マフィア>のメンバーに電話で即連絡。
で、連絡を受けた他のフリマで動いていた<ブダペスト・バイク・マフィア>のメンバーが、すぐにかけつけ、売りに出されていたオイラの自転車を確保。
その後、通訳として大活躍してくれていたトミを介してオイラに連絡が入った。
タクシーに乗ってフリマに駆けつける。
警察が到着し、ちょっとした騒ぎになっていたフリマの
人だかりを押しのけ、中に入って見えた自転車は・・・
確かに、相棒だった。

二度と会えないかも、と思っていた相棒がここにいる。
感極まったオイラが相棒を抱えあげた瞬間、

フリマに集まっていた人たちから拍手が巻き起こった。
みんなから握手を求められた。
そうだ、みんなが応援してくれてたのだ。
こんなにも多くの人たちが、事件を知ってくれてたんだ、と
ここで、初めて実感した。
やっぱり、メディアは確実にものすごい勢いで広めてくれていたのだ。
結果的に、オイラ自身がやれることは、皆に動いてもらうってことだった。
探さなきゃって焦っていたけど、
オイラ自身は、いただいた情報に丁寧に対応することしか出来なかったし、
それに専念したからこそよかったのかもしれない。
きっと、その対応が熱意となって、皆さんに伝わって、オイラが想像だに出来ないくらいのウネリになったのだ。
スゴイことっていうのは、自分がコントロールできる範囲では起こらない。
自分ではもはやコントロールできない<ウネリ>がスゴイことを引き起こすのだ。
今回の救出劇、
奇跡が起こった、と最初思ったケド、
いや、これは奇跡なんかじゃないと、思い直した。
多くの人が動いてくれると、
こんなにもスゴイことを人間は起こせちゃうのだ。
これは、人が集いしパワーが掴みとったモノなんだと。
人ってスゴイ。
人がつながることで生み出されるパワーってスゴイ。
今回の事件は、ただ、そのことを実感させられた。
自転車一人旅で世界一周、
自分の足でペダルを漕いで前に進んでいるから、
まるで、独力で凄いことをやっているような思い上がりを持ちがちだけど、
一人で走っていることなんてのは、全然本質じゃない。
自転車旅のホントの本質ってのは、
走りを通じて出会った人と人とのつながりなのだ。
その日の夜、
<ブダペスト・バイク・マフィア>のメンバーが、救出祝いパーティを開催してくれた。
ハンガリーのお酒パリンカで乾杯。
捜索に協力してくれたメンバーと一斉に会うのはこの時が始めて。
とにかく、みんな、気さくでめっちゃいい人たちばかりだった。
さらに、会場となったバーにたまたま飲みにきていた人たちも、
ニュースでオイラの自転車のことを知ってくれていたので、
あちこちから、声がかかり、祝福の嵐。

発見者マーティンと

ブダペスト・バイク・マフィアのメンバー&一番お世話になったトミと



今や、ハンガリー中の人たちがオイラのことを知ってくれている。
町を歩いているだけで、いろんな人たちから声をかけられる、握手を求められる。

この間なんて、店で買い物をしていたら、小さな女の子からサインを求められた(笑)
そんな人たちに、相棒が無事だったと報告できることがなによりも嬉しい。
もし見つからなかったら・・・
オイラの中に、ハンガリーに対するわだかまりの心が残り、
大勢の協力してくれた人にも、素直に向き合えなかったかもしれない。
ハンガリーの人たちも、オイラに対してどう慰めの言葉をかければいいのか
戸惑うことになっただろう。
そんなことにならず、お互い最高の笑顔で挨拶できるのが、ホント嬉しい。
ハンガリーは、ちょっとだけ立ち寄るだけのつもりで立ち寄ったのに・・・
切っても切れない関係になっちゃうなんて。
ホント、来る直前まで、想像だにしてなかったよ。
Thank you very much,
I love Budapest
おまけ:発見の時のニュース


■TV2のテレビニュース映像
http://tv2.hu/musoraink/tenyek/142813_pesti_piacon_a_lopott_csodabicikli.html■M1/MTVAのテレビニュース映像
http://www.hirado.hu/2014/01/25/igy-talaltak-meg-a-japan-vilagutazo-lopott-bringajat/以下、ネットニュースの一部
http://www.borsonline.hu/cikk.php?id=87302http://www.origo.hu/utazas/hirek/20140125-megtalaltak-a-japan-vilagutazo-ellopott-biciklijet.htmlhttp://bikemag.hu/kiemelt/megtalaltak-a-japan-vilagutazo-kerekparjathttp://www.blikk.hu/blikk_aktualis/megtalaltak-a-japan-vilagutazo-ellopott-kerekparjat-2233653http://www.hir24.hu/sotet-oldal/2014/01/25/megvan-a-japan-vilagutazo-budapesten-ellopott-bringaja/http://kuruc.info/r/2/123136/最後に・・・
事件の最中に、宿アンダンテで共に過ごしたみんな。
一緒に居てくれてありがとう。
皆で囲むシェア飯の笑い声。
もちろんみんな、オイラの事件のことを知っているのだが、
だからといって、妙に深刻な雰囲気を作らず、
普段どおりのお気楽旅人空間を作ってくれていた。
その雰囲気が、この時のオイラにとっては助けになった。
ここに浸っている瞬間だけは、オイラの不安心が吹き飛び、気持ちが楽になれたのだ。
だから、がんばれた。

いや、もちろん、心が折れなかったのは、
ブログ、メール、Facebookを通じて送ってくれた
みんなのメッセージがあったからでもある。
協力、応援してくれた全ての人に、ありがとう!
http://www.tvkeszthely.hu/hirek/5258/keszthelyen-jart-a-japan-vilagutazo/