
さてさて謎めいた終わり方をした前回の続き。
エベレストトレッキングの奥地、ゴラクシェフの地に到着し、
目的地である
エベレストベースキャンプも
カラパタールも
到着当日に行ってしまったにもかかわらず、
なぜ出発が3日後になってしまったのか?
その様子を・・・
気持ちの移り変わりを記した当時の日記そのままの形式でお送りいたします。
■12/19
午前中にゴラクシェフに到着。
宿代食事代が高くなるという噂を聞いているし、
高度5140mものところで長居するのもなんなので、
見るところをみたらサッサと降りてしまおうと思う。
大体、高度5000m以上なんて人が生活できる場所じゃないのだ。
夜寝ようとしても息苦しさに起こされて、熟睡なんてできやしない。
とりあえず今日は天気はいい。
今日のうちに
エベレストベースキャンプもカラパタールも行ってしまおう。
さて、どちらに先に行くか・・・
残念なことに今エベレストの山頂にちょいと雲がかかっている。
展望がいいと言われているカラパタールからの眺めは
雲がかかっていない状態で臨みたい。
ということで、後から雲が晴れることを期待して、
まずはエベレストベースキャンプから行くことにしよう。


傘雲をかぶったエベレスト。これはこれで素敵なんだけどね。
砂利で覆われてますがこの下はなんと氷河!こんなところを歩いていくんです、ハイ。
ベースキャンプに到着。オフシーズンのため登山隊はいないのだが、思ったより多くのトレッカーが集っていた。一人になれないのでイマイチテンションあがらず。
とりあえず記念撮影。
が、近くの氷河ゾーンに行って、一気にテンションがあがった。
こ、これは素晴らしい・・・

エベレストベースキャンプ(近くの氷河ゾーン)が予想以上に楽しくて、
思っていた以上に時間がかかってしまった。
往復で4時間かかり只今14:30。
カラパタールへは急げば往復3時間で行けるらしいので、
急げばギリギリ間に合うか。
とにかく行ってみることにしよう。
でっかくそびえるプモーリの手前の丘がカラパタール。
勾配が急で登るの大変
で、登り切ったカラパタール、ココからの展望が・・・
360度どっちを向いても震えるような最幸絶景!!!!!
コイツぁ凄い、ぶっちぎりのナンバーワンじゃん!!!
カラパタールからの眺めがこんなにも素晴らしいとは!
興奮、興奮、大興奮!!!

これまでの6年ちょいの旅で見てきた、
どのネイチャー系山岳風景よりも素晴らしい。
うむむ、この風景は、ちゃんと晴れた青空の下で見たいぃぃ!!!
こりゃ、明日、もう一度登らなきゃだな・・・






寒い中粘って待ったのに、イマイチな夕焼け・・・(涙)■12/20
今日も快晴。
昨日、昼間のカラパタール風景を見ると決めたので、
一日延泊して、もう一度カラパタールの丘に登ることに。
・・・って、しかし、このカラパタールの丘、
普通に登るだけで大変なんだよ。
もう一度登るのか・・・(涙)
5550mなので、ゴラクシェフから410m登ればいいだけじゃんって
言われるかもしんないけど、
5000m越えたらその400m登るのがどんだけしんどいか。
息切れ動悸・・・
この急斜面がホント曲者。

しかし、ココはその労力を吹っ飛ばす素晴らしい風景を見せてくれる。
ああ、やっぱりもう一度登ってきてよかった。
穏やかなポカポカ陽気で、最高。
こんなところで昼寝できるなんて、なんという贅沢。













■12/21
昨日、満足いくまでカラパタールを堪能したので、
ゴラクシェフを出発することに。
宿をチェックアウトし、ロブチェ方向に歩き始めた。
ゴラクシェフに長居できたのはヒマラヤ・ロッジの居心地がよかったからってのも大きな要因。宿代タダにしてくれたし、スタッフの皆さんがフレンドリーでめっちゃ居心地よかったんですよ、ハイ。
・・・が、足が進まない。
後ろ髪がひっぱられまくっているのだ。
なんてったって、今日は雲一つない快晴。
昨日までも天気はよかったのだが、
今日の天気はここ数日で一番の最高の天気。

「こんな日にエベレストを拝むためにココに来たんじゃないのか?」
と、風が囁いて吹き抜けていった。
そうなのだ。
こんな素晴らしい日に去ってどうする。
今日こそエベレストを堪能すべきだ、とUターン。
再び宿にチェックインし、
荷物を置いて、そのまま三度目となるカラパタールへ。

登り切った時には、エベレストの頂上にちょいと雲が湧いてしまっていたのが
ちと残念ではあったが、
とにかく、今日のが一番の風景だった。
ああ、戻ってきてよかった。
そう、後ろ髪をひかれる時は、
素直にひっぱられて、戻ってきちゃえばいい。
だって、急ぐ旅じゃないんだもん。
心ゆくまで、自分が納得するまで、浸ればいいのだ。
計画なんてくそくらえっ!
決めたからそうしなきゃいけないなんて、日本的は発想は捨てちゃえ。
一度決めても気分が変われば曲げればいい。
たとえ一度行った道でもその先に行きたいところがあるなら何度でも通ればいいじゃないか。
行き先はその時の気分次第。
それがチャリヨシさん流<失敗しない旅>、いや<後悔しない納得旅>の極意。


今日は夕焼けも素晴らしかった。
■12/22
いい加減昨日で満足したっしょ、今日こそ、出発
って思いたかったのに・・・
朝起きて、なんかまだモヤモヤする自分がいた。
そういえば、日の出のカラパタールは未体験だったんだと思いあたった。
こうなったらとことんまでカラパタールを味わなきゃ納得できないらしい。
ああ、我ながら面倒な性格だ。
ということで、日の出前の寒い中、4度目となるカラパタール登頂。


山はやっぱり朝ですわ。凛とした空気感がたまらなく、イイ。
途中まで登ったところで、日が差してきた。
日光を浴びたところで・・・抱えていたモヤモヤが全て吹っ飛んだ。

ああ、満たされてる・・・これで満足だ・・・
今度こそ、ホントに、さようなら、ゴラクシェフ。最高に至福な場所でした。ココは、いつの日にか、また。