イランのテヘランでトルクメビザを申請した時、
トルクメ大使館でフランス人チャリダーカップルと出会っていた。
その後、オイラと同じくトルクメからウズベキへ行くという話だったのだが、時期が若干ズレているため、なにかと急いで前進しなくちゃならない中央アジアでは、会うことはないだろうな、ってな話をしていたんです。
そんなフランス人チャリダーカップル、オリバーとマハレンとブハラの宿で再会。
なんでも、トルクメビザの入国ポイントを間違えられたため、5日間でのチャリ完走が不可能になったから、もういいやってことで、列車に乗ってワープしてきたため、追いついたとのこと。
そんなお二人は、なんと、タンデム(二人乗り)チャリダーだった。
いろんなチャリダーに出会ってきたけど、
タンデムチャリダーに出会ったのは、初めて。
そんなオリバーとマハレンとブハラ出発日が一緒になったため、
そこから先はペアランしようってな話になったのですが・・・
なにせ、彼らは二人馬力。
オイラのノロノロ小径車とはスピードが違う。
ということで、先に行ってもらうことになったのですが、
途中途中で、休憩を長くとる彼ら。
まさに、ウサギとカメの寓話のように、
最終的にはオイラがその日の就寝場所に先に辿り着き、
後から彼らがやってきて、また再会を果たすという道中になりまして。
ということで、タンデムチャリダーとのウサギとカメ競争を繰り広げた
ブハラからサマルカンドまでの走行の様子をお伝えします。
9/8 ブハラ~カルマナ
オリバーとマハレンに置いていかれたオイラは、
マイペースでウズベク道をひた走り。
トルクメと違って、ちゃんと標識があるのがうれしい。
途中途中で寄るミニマーケットや食堂では、
フレンドリーなウズベキスタンの人たちばかりだった。
やっぱり、人がフレンドリーで優しい国は走りやすい。
すでに、ウズベキスタンは大好きな国になっているけど、
走れば走るほどこの国の良さが見えてくる。
さて、夕刻になって、宿をどこにしようかと思っていたところで、
一軒のレストランが見えてきた。
夕食を食べに寄ったところ、
なんと、夜、このリビングテーブルで寝ちゃってもいいよ、と言われまして。
もはや、レギを気にすることをやめたオイラとしては、無理に宿に泊まる必要はない。
ということで、本日はココで寝ることに。
と、そこへ、いつのまにか後方を走っていたオリバーとマハレンが、同じく夕食を食べにこのレストランにやってきた。
うむむ、約束もしていないのに、ココでまた再会できるとは。
会える人には会えるもんだなぁ・・・
と思ったのだが、よくよく考えてみたら、そんなにチョイスするほど店がないため、休んだり、食事をしようとしたりすれば、同じ店になる可能性は割と高いのだ。
で、オリバーとマハレンに「ここで寝かせてくれるらしいよ」と伝えたところ、宿探しに困っていた二人も、ココで寝ることに。
二人はテントを張ってたケド、
リビングテーブル寝に慣れてしまったオイラは、
そのまま横になってゴロ寝。
9/9 カルマナ~シャイクラー
翌日、夜明けと同時に出発。
タンデムにまたがって・・・
・・・って、違う違う。
これは、ちょっとだけタンデムに試乗させてもらっただけ。
いやぁ、でも、初めて荷物を搭載したタンデムに乗せてもらってけど、そんなに違和感はないもんだな。
車体が長くなる分、ターンをする時に気を使わなきゃいけないけど、
普通に走っている分には、ノーマルチャリとあまり変わらない。
そして、やっぱり<一緒に走っている>感は半端ない。
うむむ、好きな女性と一緒にチャリ旅することになるのなら、
タンデムという選択はアリですわ。
さて、今日もやはり走り出すと同時に置いていかれたオイラだったが、
しばらく走って、朝食を食べようと、見つけた食堂に入ったら・・・
二人が居た(笑)
別テーブルで食事をしていたウズベクのおじさんたちを巻き込んで、にぎやかな朝食。
で、朝食を食べた後、再び走り始めて、すぐにまた置いていかれるオイラ。
ひょっとしてまた昼食ポイントで会えるかな・・・と思ったのだが、
残念ながら昼食ポイントでは会えなかった。
その代り、昼食ポイントでは、
朝食ポイントと同様、陽気なウズベクのおじさんたちに囲まれまして。
ラグメンとかペリメニとかたらふく食べたのに、
食べ終わった時、
「君は出さなくていいよ。俺らがお金は出しておくから」
ということで、奢ってもらっちゃった。
まぁ、このおじさま方は、聞けば、皆さん、お医者さんとか歯医者さんとのこと。
ということで、めっちゃお金をもっていそうだったので、ココは遠慮なく、甘えることに。
で、昼食後、おじさんたちに飲まされたウォッカのせいで、
ほろ酔いながら、綿花畑が続く道をひた走り、
夕刻、昨日と同じく、食堂が見えたので、また同じように寄ることに。
で、昨日と同じ流れで、ここで寝ていいよということになり、今晩の寝床を確保。
昨日の流れでは、この後に、オリバーとマハレンが現れるはずなのだが・・・今日は現れず。
さてさて、今晩お世話になることになったこの食堂では、
なぜかご主人のおじいさんに気に入られまして。
頼んでないのに、次から次へと飯が運ばれてきた。
前菜の果物やサラダ、パンの後に
プロフ、
サモサ、
シャクリキ
が次々と出てきたのだ。
いくら安いウズベキ飯とはいえ、これだけ食べると結構な額の金が飛ぶ。
いや、こんなに払えないんですけど、とおじいさんに言ったら、
「何言ってんだ。全部俺のおごりだ。クシェクシェ(食え食え)」
と、ありがたいお言葉。
いやぁ、なんでしょう。
今日は昼間も奢ってもらっちゃったし、
嬉しい奢られ日和。
オリバーとマハレンもココにくればよかったのに、
なんて思いながら、用意してもらった布団に入り寝付くオイラであった・・・
ちなみに、後から聞いたところ、その頃オリバーとマハレンは、
一つ前の隣村の地元の人達の結婚式に飛び入り参加していたらしい。
うむむ、それはそれで、羨ましかったぞ・・・
9/10 シャイクラー~サマルカンド
朝、お世話になりました、とお礼を言い出発しようとしたら、
「朝飯、食ってけ」
とおじいさんに言われ、朝食までいただくことに。
いやはや、ホントありがたい。
さてさて、そんなお世話になりっぱなしだった食堂の皆さんとお別れし、
サマルカンドまで残り50km程の道を走るオイラ。
ちなみに、ウズベキスタンでも朝道を走っていると、
登校途中の少年少女たちと出会います。
ウズベクの女の子たちの制服姿も可愛い。
こんな感じ。
さてさて、辿り着いたサマルカンド。
結局、オリバーとマハレンと巡り会えたのは、一日半だけだったなぁ・・・
なんて思って、宿にチェックインしてマッタリしてたら、
「ヨシ!」
とタンデムチャリに乗ったオリバーとマハレンが遅れて同じ宿に入ってきた。
サマルカンドでこの宿に泊まるなんて言ってなかったのに。
出会える人には出会えるもんなんですな。
ホント、約束なんてしてないから、偶然の積み重ねなんだけど・・・
これが、旅ならではのマジックってやつなんです、ハイ。
ちなみに、オリバーとマハレンは今回で二度目の長期旅とのこと。
最初は1か月くらいの旅をしたんだけど、その時、1年旅している旅人に出会い、
そうか、1年旅もありなのか、と思って、今回1年旅をすることにしたらしい。
そんな1年旅で、6年旅をしているオイラに出会い、
そうか、6年旅もありなのか、と言い出したオリバー。
果たしてお二人の3回目の長期旅はどれだけの長さに?