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映画<12モンキーズ>での
キレッキレッの演技に魅了され、
すっかりファンになってしまったブラッド・ピット。

そんな彼が出ているからということで
チベット問題に全く興味がなかったのに
劇場に見に行ったのが映画<セブン・イヤーズ・イン・チベット>だった。



当時のオイラは27歳で、
もういい大人だったというのに、
世界情勢にはうとくて、
映画で描かれていた中国によるチベットの侵略、という事実を
正直、全然受け止めきれなかった。

それこそ、
これが現実に今起こっている話とは思えず、
<映画でのお話>にしか思えなかったのだ。

あれから17年。
世界で起こっている様々な衝突の現場を見てきて、
さらに、それに触発され勉強しなおした世界史で、
人類の歴史とは、侵略の歴史であるということを知った。

そんなオイラが、
チベットから逃れてきたダライラマ14世が
今現在、生活をしているインドの<ダラムサラ>へとやってきた。
(正確に言うと、ダラムサラではなく、
そこからバスでさらに30分ほど山奥へ行ったマクロード・ガンジという場所を訪れた。
ダライラマの公邸があり、亡命チベットの中心地はマクロード・ガンジなのだ)

ココには、映画では感じれなかった
セブン・イヤーズ・イン・チベットの<リアル>があった。

アムリトサルからバスを二回も乗り換え、6時間。
高度がどんどんあがり、肌寒くなっていく。

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それまでザッツ・インドな風景が広がっていたのに、
到着した途端、風景が一変。

モンゴロイドの顔をしたおばちゃんがマントゥを売り、

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店に入るとチベット僧衣を身にまとったモンゴロイド顔の僧侶さんたちが箸を片手に飯を食べていた。

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いきなりチベットだな・・・
と思ったものの、

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思っていたほどチベット一色の場所ではなかったのに驚いた。
ここはもともとインド人の地。
亡命政権であるダライラマとチベット人たちは
この地を間借りしているだけ。
実はここは、全然インド色の方が強い。

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ココで<モモ>を売っているのはインド人。

インド人はいっぱいいるし、
パンジャブ料理の店もたくさんある。

もともと平和主義者のチベットの人たち。
チベットがチベットという国を構えていた頃、
軍隊なんてものは持たず、やってきたという。

ところが、世界というのは弱肉強食の世界。
1950年、いきなりチベットに侵攻してきた中国軍になすすべがなかった、
とダライラマは自伝でその時の様子を回顧している。

理不尽な暴力に対しては、
話し合いとか友愛なんていうものは全く通じないのだ。

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その時の世界の反応も、チベットという国を守るには全然足りなかった。
中国の横暴に対する非難の声は上がるが、
じゃぁ、それによって中国がチベットへの侵略を止めるかというと
そんなことにはならなかったのだ。
(当時のオイラは関心すら持てなくて・・・すいませんでした)

理不尽な暴力に対しては
暴力で立ち向かい、勝つしかない。
歴史を見れば、そうして生き残ってきたのが、今の人たちなのだ。
負けた人たちはこの世界から消えていった。
例えば、戦争を忌み嫌い、軍事を他人任せにし、
目先の安楽を求め、他国からの干渉に譲歩を繰り返したあげく、
(まるで、今の日本ではないか!?)
地上から抹殺されてしまった
かつて地中海世界でローマ帝国と覇権を争った<カルタゴ>のように。

さてさて、
国を逃れることになったダライラマに
具体的に手を差し伸べたのがインドのネルー首相だった。
インドの地、ダラムサラに亡命政権をたてることを許可したのだ。

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チベットを追われたけど、
ちゃんと生きていく次の地が出来たのだから、
それはそれでよかったじゃないか、
と思うところがあったんですけど・・・

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ダラムサラに実際来てみたら、印象がガラリと変わった。

ここはチベットではない。
やっぱりインドなのだ。

チベットの人ならやはり、
ココではなく、チベットで生活したいはず、
と思わされた。

う~む。

武力放棄を宣言した日本の憲法9条は素晴らしい条文だと教えられてきた。
世界に誇る平和憲法だ、と。
でも、チベットやウイグル新疆での中国の侵略を目の当たりにして、
憲法9条第二項に対して、疑問を持つようになってきた。

平和という理想を追うことは
国を失くしてしまうことより、大事なことなんだろうか?

自分の国を守るためには、
自分たちが戦う力を持たなきゃいけないんじゃないだろうか?

憲法9条第二項を拡大解釈し、
自衛権の行使は憲法に抵触しないとして
自衛隊を作り上げてきたのは、
アメリカによって押し付けられた
似非理想な平和憲法に対する
日本人として、日本を守る英断だったと、思う。
(かくいう自衛隊も、東西冷戦時の反共の防波堤のために
アメリカの指示で作られたものだったりするのだが・・・)

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百聞は一見にしかずという。
映画を100本見ても、
その場に訪れて感じる<リアルさ>には到底及ばない。

ダラムサラ、
今までのハッピー続きだったインドと違って、
なんだか気分が重くなっちゃった場所だったんだけど、
来てよかった。

国を守るということがどういうことなのかってことを
実感できたよ。

日本こそ安全、
何も知らずに何も考えずに安保法案はんた~い、
日本はこのままでいつまでも平和が続くんだ、
なんて平和ボケのお花畑脳の人こそ世界を旅してこういう地を訪れるといい、と思う。

それがただの甘い希望に過ぎないってことに、きっと気づくはずだから。

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2015.10.14 Wed l インド l コメント (0) l top

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