
そもそも、オイラが太鼓を始めたのは・・・
ギターを弾きたかったのに指が動かず断念したので、
代わりに、叩くだけでそれっぽく演奏できる楽器だったから。
まぁ、最初からそれなりに叩けちゃったワケなんですよ。
これが、いけなかった。
それなりに叩けちゃったから、その後、そのまま自己流を押し通してしまった。
基礎をちゃんと固めずに。
だからある段階から上手くなれないという壁にぶつかって、
ずっとモンモンとする羽目に。
太鼓が上手くなるには・・・
結局、ギターやピアノと同じように、
指や手首をちゃんと動かせるようにしなくちゃいけないのだ。
実は、楽器は何をやっても指や手首が重要。
これが、基礎なんですわ。
イスタンブールでナイル師匠がこんなことを言っていた
「前にピアニストがダラブッカを習いに来たんだけど、
彼女は、あっという間にダラブッカをマスターしちゃったよ。
指の動きの基本が出来ていたからね」と。
オイラが今まで太鼓をちゃんと叩けなかったのは、
テクニックを知らなかったからとかそういうことじゃない。
太鼓を叩ける体、太鼓を叩ける手ではなかったからだ。
ケシャヴ師匠に
「その固すぎる体をなんとかしろ。太鼓叩きの体じゃないぞ」
と言われ、
ヨガを取り入れた手首や指の柔軟運動をやるようになって、
ようやく太鼓を叩ける体になってきた。
以前より、格段にスムーズに太鼓が叩けるようになった。
こういうことが、大事だったのだ。
そういえば、日本でドラムを自己練習していた頃、
トップドラマーである村上ポンタさんの教則ビデオを見たことがあった。
そのビデオの冒頭で、ポンタさんが
「最初、スティックを握らせてもらえなかった。だから、まず、スティックなしでできることから始めたんだ。それは、ドラムを叩く体を作るということ。手の動きを筋肉とか意識して動かすことから始めて、ドラムを叩く体を作っていったんだ。これが大事」
みたいなことを言っていた(確か)。
今は、ホント、これが大事って思えるのだが、
当時のオイラは、その言葉の重要度が全然分かっていなかった。
また、高校の時、ブラスバンド部の太鼓隊の人たちが、
毎日ずっとスティックコントロールの練習ばかりをしているのを見て
「そんなことに貴重な青春の時間を使っちゃって」
なんて思っていたのだが、
実は、大事な青春の時間を無駄に使っていたのはオイラの方。
ああいういうことをやって体をコントロールする術を掴むことが、
高校生としては、大事なことだったのだ。
彼らはあれで、体を作ることの意味、基礎の大事さを彼らは実感していたのだろう。
今オイラが感じているようなことを、高校の時にすでに分かっていたに違いない。
ヒントはいろいろ転がっていたんだよなぁ・・・
でもね、こういうのは、ホント自分じゃ気づけないんですよ。
ケシャヴ師匠に強制的にひっぱってもらって、
高みに上ってきて太鼓の世界を見渡せるようになったから、
今になってようやく、気づけたのだ。
それにしても、高みから見える太鼓の世界は素晴らしい。
あ~、もっと早くこの世界を見たかったな。
と、オイラのように後悔しないように、
楽器をやろうと思っている人は、
手の動きを筋肉とか意識して動かすことから始めて、
まずは、楽器を弾く体を作るべし。
・・・なんて書いても、
オイラがポンタさんのアドバイスをスルーしたように、
このアドバイスも、スルーされてしまうんだろうな。
って、いや、こんな大事なことをスルーするのは、オイラだけか。